Q&A
Q1 | 細胞数不足と指摘されたが問題はないか。また、測定できる方法はないか。 |
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A |
まれに、排液中の細胞数が少なく集細胞がうまくいかないことがあります。処理後鏡検で全視野の細胞数が30個未満の場合は細胞不足として取り扱います。これは統計学的に30個以上でないと誤差が大きくなるからです。細胞不足の原因は明らかではありませんが、それほど傷害されていない腹膜でも生じることがあります。 |
Q2 | 細胞変性により測定不可と指摘されたが問題はないか。また、対処方法はないか。 |
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A |
細胞診検体の前処理の段階で、フィブリンが析出すると標本の乾燥が不十分となり、細胞が浸透圧収縮を受けて変性し、測定できないことがあります。 |
Q3 | 石灰化断片の析出による細胞変性で測定不可であったが問題ないか。 |
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A |
まれに排液中にCa塩の結晶、もしくは石灰化断片とみられる物質が多数存在することがあります。腹腔内に石灰化のある症例でみられることが多く、このような物質は前処理の遠沈分離の段階で細胞を破壊するために測定不可となります。 |
Q4 | 細菌のコロニー多数認められ、そのため測定不可であったが、問題ないか。 |
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A |
検体に細菌が多数認められ、そのために中皮細胞が変性を受け測定できないことがあります。考えられる理由は四つあります。 |
Q5 | 白血球多数のため測定不可であったが、問題ないか。 |
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A |
腹膜炎時は白血球数が多く測定はできません。腹膜炎時以外でも、白血球数が50 /mL程度以上のときは測定できないことがあります。 |
Q6 | 血性排液のため測定不可であったが、問題ないか。 |
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A |
目視によるバッグ混濁が認められない場合でも、顕微鏡的には血性排液であることがあり、この場合測定できないことがあります。 |
Q7 | 中皮細胞診はどのくらいの間隔で行うべきか。 |
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A |
腹膜劣化や腹膜機能低下がそれほど疑われない症例では、1年に1回(PET検査と同頻度)、かなり腹膜劣化が進展している症例、面積350 mm2以上の症例や腹腔洗浄症例では3~6か月に1回程度です。 |
Q8 | 短期間で面積が大きく変動するが、問題ないか。 |
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A |
中性液の使用、HD併用療法、腹腔洗浄の症例では面積は大きく低下するので問題はありません。中皮細胞面積は剥離細胞の計測であるため、まれに、何からの理由で剥離状態が変化し面積が大きく変化することがあります(特に腹膜炎や腹部への強い物理的刺激など)。そのため、面積からの判断はOne Pointではなく連続した測定結果で判断することが必要です。 |
Q9 | 腹水でも中皮細胞診は可能か。 |
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A |
原則的には腹水でも検査可能です。ただ、腹水は高度のフィブリン析出や血性排液のことが多く、測定不可能である確率は高いです。 |
Q10 | 洗浄時の細胞診で洗浄液はどれくらいの時間貯留すればよいか。 |
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A |
細胞数が十分にあることが細胞診での条件です。1日1回の洗浄であれば十分な細胞数が得られますので、貯留は必要ありません。1日2回以上の洗浄であれば、数時間(3から4時間)の貯留が必要です。 |
Q11 | PD期間とともに中皮面積は上昇するとされているが、逆に低下してきた。 これはどういうことか。 |
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A |
中性液の使用、HD併用療法、腹腔洗浄の症例では面積は低下します。療法の変更なしに低下してくる場合は、今のところ原因は不明ですが、腹膜は一方的に悪化するのではなく、回復している時期もあると推測されています。 |
Q12 | PETはLからLAのレベルであるのに中皮細胞面積は400mm2をこえており、どう判断してよいのか。 |
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A |
我々の考えでは、排液中皮細胞診は腹膜中皮の傷害と再生の程度を反映すると解釈しており、PETで表されるような腹膜機能、特に腹膜透過性とは相関しないと判断されます。 |
Q13 | PETがHであり、除水不全もあるのに中皮細胞面積は250mm2未満であり、どう判断してよいのか。 |
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A |
我々の考えでは、排液中皮細胞診は腹膜中皮の傷害と再生の程度を反映すると解釈しており、PETで表されるような腹膜機能、特に腹膜透過性とは相関しないと判断しています。 |
Q14 | 中皮細胞診でEPSを予防できるのか。 |
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A |
EPSの成因はまだ不明ですが、我々は、EPSは腹膜中皮の消失による炎症、癒着が原因と考えています。よって、中皮が存在するかぎり、イレウスや限局性の癒着は存在してもEPSは発症しないという考えとなります。 |